治験のQ&A

治験のQ&A

治験ってなんだろう?
質問1.治験ってなんですか?
質問2.治験ってどのようなことをするのですか?
質問3.治験を受けるとメリットがありますか?
質問4.治験にはデメリットや、体に害があることもあるのですか?
質問5.治験は治療とどう違うのですか?
治験に参加できるの?
質問6.治験は健康な人でも参加できるのですか?
質問7.治験はどのような方が参加されるのですか?
質問8.治験はどこでも参加できますか?
質問9.治験に参加したい場合にはどうしたらいいのですか?
質問10.治験の案内情報は、いつどこで教えてもらえますか?
質問11.治験への参加は誰でも申し込むことはできますか?
質問12.治験の相談はどこですればいいのですか?
質問13.治験は本人しか参加を申し込むことはできないのですか?
治験はどのようにしておこなわれるの?
質問14.治験に参加するのには入院が必要ですか?
質問15.治験を途中でやめられますか?
質問16.治験の期間はどれくらいかかりますか?
質問17.治験に参加した場合の医療費はどうなりますか?
質問18.現在、他にも通院していますが、治験に参加できますか?
治験って安心できるの?
質問19.治験に関する法律があるのですか?

質問と回答

質問1 治験って何ですか? 質問に戻る
人の病気を治すのに役立つかどうか、人における有効性(効き目)と安全性(副作用)を調べる試験のことを一般に「臨床試験」と言いますが、「治験」とはその中でも国(厚生労働省)から薬として認めてもらうために行う臨床試験のことです。より効き目があって副作用の少ない薬を提供するための大切なプロセスのひとつです。
質問2 治験ってどのようなことをするのですか?質問に戻る
治験では、開発中の薬(治験薬)の有効性(効き目)や安全性(副作用)などを確認します。そのために、定期的な診察や検査を実施して、治験薬の用法・用量や治療効果を検討したり、安全性を確認したりします。
質問3 治験を受けるとメリットがありますか?質問に戻る
治験に参加するといろいろなメリットがあります。
  1. 新しい治療を受けられます。とくにこれまでによい薬がなかった場合は、治験は治療のチャンスです。
  2. 通常の診療より詳しい検査が行われます。また、専門医から、より慎重かつ綿密な治療を受けることができます。
  3. 治験薬が薬として承認されれば、同じ病気を持つ患者の治療に役立ち、次の世代に新しい薬を残すため、社会貢献ができます。
質問4 治験にはデメリットや、体に害があることもあるのですか?質問に戻る
残念ながら治験によるデメリットも存在します。
  1. 普段の診察に比べて、通院回数や検査が増え、1回の診察に時間がかかる場合が多いです。
  2. 薬の飲み方などの注意事項がいくつかあります。治験によっては薬を飲んだ時間や日常の体の状態を記録するため、日誌を書く場合もあります。
  3. 治験薬も薬である以上、副作用が発生する可能性がゼロではありません。また、治験によってはプラセボという薬の成分を含まないものを使う場合もあります。
質問5 治験は治療とどう違うのですか?質問に戻る
治験は治療と以下のような点で違いがあります。
  1. 薬を飲む目的:治験では、試験を主な目的とした上で、治療という側面を持ちます。
  2. 使用される薬:治験では厚生労働省の承認は取れていません(治験の結果により承認を取ることになります)。治療では、その承認が取れています。
  3. 医療機関:治験では指定の病院しか実施できません。治療では、患者が希望の病院であれば、どこでもできます。
  4. 医師:治験では基本的に担当医師が一貫して診察しますが、治療では主治医以外の医師も診察します。
  5. 診察時間:治験では治療より長くかかります。
  6. 検査内容:治験では治療よりきめ細かい検査を行います。治療では、健康保険の適用範囲で行うことになります。
  7. 費用:治験では治験薬の費用や治験薬を服用している間の検査費用は支払う必要がありません(製薬会社が負担します)。治療では、健康保険が適用され、患者が一部医療費を負担します。
質問6 治験は健康な人でも参加できるのですか?質問に戻る
健康な人は、最初の治験薬の安全性(副作用)や薬の吸収・分布・代謝・排泄などの確認を目的に行われる第1相だけに参加できます。
質問7 治験はどのような方が参加されるのですか?質問に戻る
まず、参加できる基本的な条件は、その治験薬が対象とする病気の患者さんです。また、本人の自由意思で参加を希望している方です。 妊娠している方や妊娠を希望している方は、安全への配慮から治験に参加いただけないことになっています。この他に、基礎疾患(心病患・肝疾患・腎疾患)への影響がご心配される方や、特殊な反応(アレルギー)が起こりやすい方などもご参加いただけない場合もあります。治験に参加される前に行われる検査や問診などによって確認が行われます。
質問8 治験はどこでも参加できますか?質問に戻る
治験は、どの病院でも参加できる訳ではありません。治験によって、実施される医療機関は決められています。その医療機関は法律(GCP)に基づいて、患者の人権と安全性を守りながら、治験を実施する能力があると認められたところです。治験にもよりますが、複数の施設で行われることがほとんどです。主治医の先生から治験を紹介された場合には、通院先で参加することもできます。また遠隔地からの参加も可能ですが、定期的な通院や一定期間の入院が必要な場合もありますので、体調やご負担頂く交通費なども考慮する必要があります。
質問9 治験に参加したい場合にはどうしたらいいのですか?質問に戻る
まず、情報収集です。新聞・テレビ・雑誌などのマスメディアによる参加者公募広告、およびインターネットによる参加者募集サイトを利用することができます。また、医療機関の専門家に相談することも大切です。治験はどこでも受けられるわけではありません。経験豊富なスタッフや安全の確保ができる施設が揃っていて、しかも指定される病院以外受けることができません。それらの病院に設置されている治験相談窓口に治験や健康などに関する質問や相談をすることできます。
質問10 治験の案内情報は,いつどこで教えてもらえますか?質問に戻る
当ネットワークでは、製薬会社や病院などからの依頼を受けて治験に関する情報を掲載しております。また、テレビ・新聞・雑誌などのマスメディアによる参加者公募広告、およびインターネットによる参加者募集サイトを利用することができます。
質問11 治験への参加は誰でも申し込むことはできますか?質問に戻る
ほとんどの治験で、「ご本人の意思で治験参加に同意できる事」という条件があります。「参加は本人の自由意思を尊重する」事が前提となっているからです。例外として痴呆症のようにご本人の意思を直接確認することが難しい場合には、ご本人以外の方の手続きでご参加いただけることもあります。
質問12 治験の相談はどこですればいいのですか?質問に戻る
治験の相談は治験を受けられる医療機関の相談窓口があります。法律に基づいて、皆様の個人情報やプライバシーを守っております。ご安心下さい。
質問13 治験は本人しか参加を申し込むことはできないのですか?質問に戻る
治験ではあくまで本人の自由意思を尊重しています。普段は、本人しか参加を申し込むことはできません。しかし、病気によって、本人が自分の意思を十分に表すことが困難な場合には、家族など、患者の最善の利益を考える上で本人の代わりに治験への参加を申し込むことができます。このような場合では、家族などによる薬の管理や通院の時の同行が大変重要となります。
質問14 治験に参加するのには入院が必要ですか?質問に戻る
治験によっては、一定期間の入院が必要な場合もあります。一般の治験では、複数回来院して頂き、定期的な診査が行われています。
質問15 治験を途中でやめられますか?質問に戻る
治験はあくまで参加者本人の自由意思に委ねられていますので、途中でやめることができます。薬によっては、途中で薬の服用を中止する事で、何らかの影響が出る心配があります。担当医師によくご相談することをお勧めします。
質問16 治験の期間はどれぐらいかかりますか?質問に戻る
参加する治験によって違います。短い場合は数週間、長い場合は一年以上かかることもあります。また、期間内に何回通院するのか(何週間毎に通院するのか)治験によって異なりますので、参加する前によく説明を聞いてください。
質問17 治験に参加した場合の医療費はどうなりますか?質問に戻る
治験では、「保険外併用療養費制度」により、医療費の負担は通常の治療に比べて少なくなります。治験参加者として適合するかどうかを診断する初診料と再診料は自己負担を求められますが、治験薬の費用や治験薬を服用している間の検査費用は製薬会社が負担しますので、参加者の医療費負担は軽くなります。また、参加者に対する協力費や一定の範囲での通院の交通費補助などが行われる場合が多く、これにより参加者の負担をいくらか軽減することができます。費用については、治験に参加される時、治験実施機関側からも詳しい説明があります。
質問18 現在、他にも通院していますが,治験に参加できますか?質問に戻る
治験に参加する前に、どの病院・医院にどのような病気でかかっているか、またそこでどんな薬をもらっているかを、治験担当の医師に話してください。それらの条件によっては治験に参加できない場合もあります。また、主治医(治験の担当以外にかかっている医師)にもどのような治験に参加するのか予め伝え、よく相談した方が良いでしょう。
質問19 治験に関する法律があるのですか?質問に戻る
治験に関する厳しい法律があります。その法律は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(略称:医薬品医療機器等法)と「医師法」という医師に関する法律です。そして、これに基づいて国が定めたGCP(医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令)というルールで、参加する方の人権や安全性を確保し、プライバシーを守ることを定めています。
引用元:みえ治験医療ネットワーク